書籍 40代を後悔しない50のリスト

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昨年、40歳になって早々に挫折した私にとって、今後の救いとなりそうな本でした。

本の概要

この本は、定年退職したあとに後悔した話を1万人から聞いた結果と対策をまとめた本です。著者いわく、社会人としての後悔は40代に集まりがちとのこと。
理由は、40代では仕事上の立ち位置も変わり、家庭環境も変わり、自分自身の身体的な状況も変わるのに、20代30代の考えのままになっている場合にうまく行かないことが多いから。
例えば仕事では、20代30代はいちプレイヤーとして、降りてきた仕事をこなすことが多いですが、40代にもなるとマネージャーやプレイングマネージャーになり、仕事を作り出す側に回ります。そのときにいい仕事を作り出し、20代30代の若手を動かし、成果を出すことが出来るかは、今までとは異なるスキルセットを用いて組織を動かせるかにかかっています。
家庭環境を見ると、30代は育児ですが40代は教育に変わる。子どもたちも小学校を卒業して中学校や高校に行き、子どもたちなりの壁にぶち当たり始める。そのときにどう接すればよいか。育児では解決できない領域ですね。

これだけ聞いても大変そうな40代。そんな40代に後悔が集まりがちなのですが、本書は1万人から聞いた後悔を50のリストにまとめ、対策も書いています。これから何が起こりうるかを先に知ることができれば、対策も打てるはずですね。

リストの大分類

リストの大分類は以下のようになっています

  1. この10年で何より大切にしたいこと
  2. プレイングマネージャーとして本当に必要なこと
  3. 忙しいだけで終わらせないために工夫すること
  4. 人生を左右する「人付き合い」で知っておくべきこと
  5. 年相応に学ぶべきこと
  6. 会社・社会と向き合い続けるために考えておくこと

例「他人を動かすスキルが身につかなかった」

50のリストから具体的にひとつ取り上げると、「他人を動かすスキルが身につかなかった」が気になりました。自分が仕事のできる人間だったために与えられた仕事はサクッとこなせた。でもいざ管理職になり、人を育てる側に立った瞬間、部下を動かせず、信頼関係を損ねてしまい、組織としても自身としても評価を落とす…
そういう人に見受けられた傾向としては、管理職として求められているマネジメントスキルは「業務のマネジメント」だと考えていた。それも必要なマネジメントだが、それ以上に「部下のモチベーションをマネジメントすること」が必要。人を育てるって難しいんですよね。それよりも、育つような環境を作って上げて、自らに成長してもらうほうがうまくいく。そのように考える必要があるそうです。
具体的にどのようにモチベーションをマネジメントするかは他書を読むのが良いでしょう。

今既に悩んでいるよ!という方は、本書を手にとってみると、いい気付きがあるかもしれません。

欲しかった点

ちょっと家庭や健康面が少ない気もするのですが、それは50のリストにまとめる上で後悔の数が少なかったのでしょうか。分かりませんが、自分の家庭は今ある一つしかないはずですので、合わせてないがしろにせず、時間を作って良い関係を築きたいですね。